不動産投資を失敗したくない人必読!リスクと回避法を詳しく解説
FXや株など数ある投資のなかで、不動産投資は比較的ローリスクといわれています。
近年は少額から始められる不動産投資もあり、若い年代の方でも挑戦する方が増加中です。
しかし不動産投資はノーリスクではありません。「不動産投資の9割が失敗する」という意見もあり、やり方によっては大失敗をすることもあります。
そこでこの記事では不動産投資の失敗例を詳しく解説します。
失敗例を知れば、その回避方法もわかることでしょう。これから不動産投資を始めたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産投資は失敗する可能性がある
不動産への投資はやり方やタイミングを間違えると、失敗する可能性があります。
不動産投資における失敗とは、トータルで赤字が出ることです。
例えば1,000万円で不動産を購入して500万円でリフォームした場合、2,000万円の利益が出れば成功です。反対に500万で掘り出し物の物件を手に入れても投資をした結果、300万の利益しか出なければ不動産投資は失敗といえます。
不動産投資にはいろいろな種類があり、やり方や選び方を間違えると失敗するリスクが一気に高まります。そのため、不動産投資の種類ごとのリスクを知っておくことが大切です。
不動産投資の失敗事例を紹介
ここでは実際に不動産投資の失敗事例を紹介します。
不動産投資の失敗事例は多岐にわたるので、いろいろな事例を確認しておきましょう。
事例1:入居者が家賃を滞納
投資した不動産の入居者が家賃を滞納して、代金を回収できない事例です。
不動産投資の代表格といえば、大家業です。一戸建てやアパートを購入してそれを人に貸して利益を得ます。
人が住み続ける限り収入が入り続けるメリットはありますが、「入居者が家賃を払わない」というリスクもあります。現在の法律では賃貸物件を賃借人の利益が高めです。
そのため1~2か月家賃を滞納しただけでは、住んでいる人に退去してもらうことは難しいでしょう。退去を求めるには、面倒な手続きが必要になることもあります。
また家賃を滞納した挙句に夜逃げでもされた場合は荷物を片付ける費用や手間もかかるでしょう。今は誰もが安定した収入を長年維持し続けるのが難しい時代です。
何年も家賃を滞納せずに住んでいた人がある月からいきなり滞納し始めることもあるでしょう。
それを防ぐためには、家賃保証会社を利用したり定期的に賃借人の保証人が健在かどうか確認したりしてもらうなど対処が必要です。
また家賃滞納したときに適切な対処をとってくれる、不動産会社を利用するのもおすすめです。
事例2:想定外の空室で資金繰りが苦しい状況に
購入した不動産の場所によっては、同じような物件がたくさん周囲にあるケースもめずらしくありません。賃貸物件の場合、新しい物件の方がどうしても人気があります。
そのため、ある程度年数がたった物件は一度空きが出るとなかなか次の入居者が決まらないこともあるでしょう。
また集合住宅の場合ある部屋に厄介な人物が住んでいると、かかわりを嫌って周りの部屋の入居者が出ていき、次の入居者が入らないこともあります。
オフィス物件の場合も賃貸住宅より長く借りてくれるケースが多い反面、一度空き室になると次が埋まりにくいといったリスクがあります。
ローンを抱えている場合、空き室が長く続くと資金繰りがショートする恐れもあるでしょう。そうなると、物件を手放せざるを得なくなり不動産投資の失敗となってしまいます。
このような事態を防ぐためには、ローンの返済はゆとりをもって行うことが大切です。
資金繰りに余裕がない場合は事前のリサーチをしっかりと行い、空室のリスクが少ない場所の不動産を購入してください。
事例3:予期せぬ物価の下落
建物の価値は時間と共に低くなっていきます。築浅の物件ならばその地域の相場の上限でも借り手がつきやすいでしょう。
しかし築10年を超えると、家賃を下げないと借り手が見つかりにくくなってきます。
特に次々と新しい物件が立つような場所では、古い物件は圧倒的に不利です。
特徴がなく「新しさ」だけをウリにしている物件は、築年数が経つと利用者のメリットが少なくなるため価値が下落しやすいでしょう。
駅に近い、交通の便が良い、セキュリティがしっかりしている、新しい物件がなかなか出にくいなど、不動産の価値が下落しにくい物件を選ぶことが重要です。
また定期的にメンテナンスして、古くても住みやすい物件にしておくことも効果的でしょう。
なお家賃を下げる方法もありますが、この場合だと住民の質も悪化することがあります。
家賃を下げるのは最後の手段としておきましょう。
事例4:天災の影響で損壊した
日本は地震や台風、水害といった天災が多い国です。
事前調査を徹底しても、予期せぬ天災に投資物件が損壊することも決してめずらしくありません。
また住宅用の物件は火災のリスクもあります。近年は完全禁煙の物件が増えていますが、火災のリスクはゼロにはできません。
この他、建物が老朽化していると漏電火災の危険があります。
不動産投資をする際は、天災で損壊した際に修理費を補填できる保険に必ず入っておきましょう。
火災保険はもちろんのこと、万が一のことを考えて地震保険にも入っておくことが大切です。
火災保険、地震保険は強制ではないので、自ら必要な補償が得られる保険会社・保険商品を探す必要があります。
場合によっては不動産会社が紹介してくれることもあります。
なお火災保険は、火災だけでなくガス爆発や盗難、人為的な破損などもカバーしてくれる商品もあるので、いろいろな商品を比較することが大切です。
事例5:ローン金利が上昇した
不動産投資をする人の多くがローンを組んで物件を購入します。
住宅ローンは金利が低めですが、そもそも投資用の物件を購入する場合の金利はやや高めです。
また金利には種類があり、主に変動金利・固定金利・固定期間選択型金利が用意されているケースが多いです。
固定金利はローンが終わるまで金利が一切変わりませんが、変動金利に比べるとやや高めです。
変動金利は固定金利に比べると安いですが、突然値上がりすることもあります。
固定期間選択型金利は一定期間、固定金利が適用されてその後変動金利になります。
金融情勢によっては変動金利に変更されたタイミングで、金利の支払い額が上がるリスクがあるため注意が必要です。
「ぎりぎりでローンを組んでいたが、いきなり金利が上がったので資金繰りが厳しくなった」という事例もあります。またローン金利が上昇したタイミングで空き室が増えたり、天災で物件が破損したりすることもあるでしょう。
そうなると、多少資金繰りに余裕があっても一気に苦しくなることがあります。
したがって物件を購入する前に、ローン金利が何%までなら払えるのか一度計算してみることが大切です。何か問題が起きた場合を考えて、余裕をもつようにしましょう。
また少しでも金利が上昇するリスクを抑えたい場合は、設定金利は高くなりますが固定金利を選ぶのがおすすめです。
事例6:物件の老朽化で修繕費の負担が大きかった
不動産物件は必ず定期的なメンテナンスが必要です。駐車場など建物が全くない物件でも、アスファルトの修繕や白線の引き直しといったメンテナンスが必要です。
住宅のメンテナンスには、内装と外装があります。外壁塗装などの外装のメンテナンスは10年に1度、水回りなどの内装のメンテナンスは物件によっては10~15年に1度必要です。
特に築年数が経った物件は風呂やトイレを最新式のものにしたり、畳の部屋をフローリングにしたりといった大規模な修繕をしないと次の借り手がつかないこともあるでしょう。
またアパートやマンションの場合、外壁の塗りなおしだけでも1億円近いお金がかかることもあります。
お金がないことを理由に老朽化した設備を放っておくと水漏れ、下水の逆流、ガス漏れなどのリスクが大きくなります。
なお建物の老朽化による設備の破損は、大家の負担で直さなければなりません。
借主の荷物が破損した場合は火災保険でカバーできますが、破損の修理は自己負担です。
このリスクをできるだけ避けたい場合は、新築の物件を購入して大規模修繕が必要な時期までにローンを払い終えてお金をためておくか、大規模修繕をした後の中古物件を購入するのがおすすめです。
事例7:管理会社が倒産した
遠方の不動産物件を購入した場合、管理会社に家賃の徴収やメンテナンスを任せていることもあります。
管理会社が管理料を引いた金額を大家に振り込んでくれる仕組みになっていますが、管理会社が倒産するリスクもあります。
実際、バブル経済がはじけたときは不動産関係の会社がたくさん倒産しました。管理会社も例外ではありません。
このため管理会社と契約する際は、会社の経営状態などを元に慎重に判断することが大切です。
万が一家賃が振り込まれないまま倒産した場合、その分が回収できなくなるかもしれません。
管理会社にすべて任せてあるから」と放っておくと、不動産投資が失敗する原因となりやすいため注意しましょう。
不動産投資の成功率はどれくらい?
不動産投資の成功率は10%以下という意見もありますが、それは正確に統計をとったわけではありません。
前述したように不動産投資にはたくさんの種類があります。自分で土地と建物を購入して賃貸に出すこともあれば、親から相続した家を賃貸に出す形もあります。
建物ではなく、駐車場を運営するケースもあります。現在はクラウドファンディング型不動産投資という、家賃レベルのお金で不動産投資も可能な形も出てきました。
そのため、「不動産投資のなかには成功率が低いものもある」というのが正解に近いでしょう。
不動産投資を成功させたい場合は、できるだけ初期投資を低くしてローンを短くすることがポイントです。
また不動産屋だけに任せず、自分で物件を確認するなど手間をかけることも重要です。
無理をせずに投資できる形を見つければ、成功率も高まるでしょう。
不動産投資を始める前にある程度の知識を蓄えておくことも、失敗しないためのコツとなります。
まとめ
今回は不動産投資の失敗事例とリスク回避の方法を紹介しました。日本において不動産投資はリスクの少ない投資の一つです。
しかしどのような物件でも、賃貸に出せば儲かるわけでもありません。
例えば物件を購入して人に貸して賃貸料を取ることで利益を出すためには、修繕や空き家対策などに対応する必要があります。
今回紹介した失敗事例とその対策方法を参考に、不動産投資を成功させましょう。
こちらの記事の監修者
torio real estate店長
宿南 秀文
- 平成18年度三井のリハウス(現在の三井不動産リアルティ株式会社)を経て、平成20年株式会社torioに入社。
- torio創業初期から数多く顧客様との商談・交渉・マーケティングリサーチを行ってきた経験を活かし、お客様の保有数不動産価値の創造に努めます。