不動産取得税の控除・減額・減免について|column|株式会社torio real estate(トリオリアルエステート)
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コラム

Column

不動産取得税の控除・減額・減免について

不動産を取得する際、必ずかかるのが「不動産取得税」です。

不動産を取得するとき以外にはかからない税金なので、不動産を取得するまで存在を知らなかった人も多いことでしょう。
不動産取得税はどんな不動産を取得する際にもかかりますが、条件次第で控除や減額、減免が行われます。

この記事では、不動産取得税について詳しく解説します。これから不動産を取得する予定がある方は、ぜひ参考にしてください。

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不動産取得税とは

不動産取得税とは、不動産を取得した場合に課税される税金のことです。
固定資産税と一見すると似ていますが、固定資産税が毎年かかるのに対し不動産取得税は購入時に一度だけかかります。
地方税の一種であり、納付先は都道府県です。
どんな不動産を取得してもかかる一方、頻繁に控除や減額などが行われています。
基本的な税率は宅地と住宅の場合4%です。
また、土地と建物は別々な資産とみなされ、それぞれに不動産取得税が課せられます。
ですから、建物が1千万、土地が2千万だった場合。1千万×4%、2千万×4%となり、その合算が不動産取得税と考えましょう。

出典:東京都の不動産取得税

出典:不動産取得税|SUUMO

不動産取得税の計算式は?

不動産取得税 控除 減額

不動産取得税の計算式は、「建物の固定資産税評価額 × 税率4%」という計算式で出すことができます。


「建物の固定資産税評価額」とは、土地・家屋の評価として市町村長が定めた額です。購入した金額ではないので、間違えないようにしましょう。
なお、宅地と住宅にかかる税率は、2008年4月1日~2023年3月31日までに取得したものに限り特例措置として税率が3%に引き下げています。

また、同じ時期まで宅地や宅地及び、それと同じ扱いを受ける土地に限って評価額の2分の1が課税標準額です。
つまり宅地の場合、税率の計算式は「評価額×1/2×3%」となります。

宅地に限っては、税率がかなり低くなると考えていいでしょう。
なお、特例措置はこれからも延長されたり税率が変わったりすることがあります。

2021年3月31日以降に土地を取得する場合は、法律をよく確認しておきましょう。
税理士に相談するのもおすすめです。

出典:東京都の不動産取得税

不動産の価格になる固定資産税評価額とは?

建物の固定資産税評価額とは、前述したように土地・家屋の評価として市町村長が定めた額です。
固定資産課税台帳に登録されており、土地の取引価格の指標である「土地価公示価格」70%水準になるように調整されています。
なお、70%というのは土地の価格のことで住宅はさらに低く、50~60%の割合になるように調整されるのが一般的です。

出典:固定資産税評価額とは?知っておきたい計算方法や調べ方|SUUMO

不動産取得税の控除や減額が受けられる軽減措置は新築と中古で異なる

宅地に利用される土地の場合、不動産には大きく分けて3つの種類があります。
「宅地のみ」「宅地+新築住宅」「宅地+中古住宅」です。
新築の場合は、まず宅地を買ってそこに新築を建てる場合と、すでに建っている建売住宅の2種類があります。
この場合、不動産取得税が請求される時期が異なることもあるので、不動産業者や税理士の説明をよく聞いておきましょう。
また、新築住宅と中古住宅では不動産取得税の控除額や減税額が異なります。
以下に、新築住宅と中古住宅の軽減措置や減税措置の違いについて詳しく解説していきます。

新築の住宅の軽減措置

はじめに、新築住宅の軽減措置について解説していきます。
どのような軽減措置があるのでしょうか?

まずは、新築の建物の条件から解説していきます。

新築の建物の条件は?

新築の建物とは、以下のような条件を満たした住宅です。
● 物件の完成日(検査済証に記載されている日付)が、1年未満であること
● 入居者がいないこと

物件の完成日から1年以上経った場合は、入居者がいなくても新築物件ではなく「未入居物件」と表示され、完成日から1年未満でも入居者がいる場合は「築浅物件」になります。
建売住宅を購入する場合、2点の条件を満たしていることを確認しましょう。

注文住宅の場合ははじめからこの2点を満たしているので問題ありません。

新築建物のうち、
● 課税床面積が50㎡以上240㎡以下(賃貸物件は除く)
● 個人の居住を目的とした住宅全般に適用される(別荘も可能)
以下の条件を満たしている建物は「新築特例適用住宅」と呼ばれ、軽減税率の対象になります。
家と店舗がくっついているような建物は軽減税率の対象になりません。気をつけましょう。

出典:住宅の品質確保の促進等に関する法律|e-GOV法令検索

新築の建物の控除額は?

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新築特例適用住宅が適用された住宅の場合、固定資産税評価額から1200万円の控除が受けられます。
つまり、固定資産税評価額が1,200万円以下の場合、不動産取得税はかかりません。
マンションなどの共同住宅にも控除は適用されます。

また、「長期に使用するための構造及び設備を有していること」などの条件を満たし、認定長期優良住宅に認定された場合は、控除額が1,300万円まで上がります。
認定長期優良住宅に認定されるには、所管行政庁(お住まいの都道府県庁)に申請を行う必要があります。
住宅を買ったり建てたりしたとき、「認定長期優良住宅に認定する条件を満たしています」と言われた場合、ぜひ申請を行いましょう。

新築住宅の土地の条件は?

住宅を建てることを前提に土地を購入した場合、以下のような条件を満たすと軽減措置を受けられます。
● 建てられた住宅が、建物の軽減の条件を満たしていること
● 住宅よりも先に土地を取得した場合、3年以内に建物を新築すること
● 建物の建築を先行していた場合、新築した人が1年以内にその土地を取得すること

つまり、土地に新築の建物を建てても、軽減の条件を満たしていないと軽減措置を受けることができません。
また、購入時期にも注意が必要です。土地を取得して4年以上経過した場合は軽減措置を受けられません。注意してください。

出典:東京都の不動産取得税

新築住宅の土地の控除額は?

新築の土地の控除額は以下のとおりです。
● 固定資産税評価額が2分の1
● 税金の一定の額が控除(4万5000円)

なお、「固定資産税評価額が2分の1」は、2023年3月31日までに取得した土地にまでです。
この2つのうちどちらか金額の大きいほうが適用されます。

また、計算式は不動産取得税を納める自治体によって異なることがあるので、不動産業者や税理士の説明をきちんと聞いておきましょう。
軽減税率の額によっては、不動産取得税が不要になることもあります。

中古の住宅の軽減措置

今度は、中古住宅の軽減措置について解説します。
新築住宅とどのような違いがあるのか、確認しておきましょう。

出典:東京都の不動産取得税

中古の建物の条件は?

一般的に「中古住宅」とは、新耐震基準が適用された1981年以降に建てられた住宅を指します。
つまり、「中古住宅」は新築住宅以外全てが該当するわけではない、と覚えて起きましょう。
古民家などは該当しません。
ただし、リフォームなどによって「新耐震基準を満たした場合」は、中古住宅と認められます。
このほか、宅地として控除を受ける場合は、以下の条件を満たしている必要があります。
● 課税床面積が5㎡以上240㎡以下(集合住宅の場合は40㎡以上)
● 個人の居住を目的とした住宅全般に適用される(別荘でも可能)
なお、リフォームに関しては1981年12月31日以前に建てられた家の場合、
「新耐震基準に適合していることが証明可能」であるか、「既存住宅売買瑕疵保険への加入が証明可能」であるかの条件を満たすことが必要です。

中古の建物の控除額は?

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中古の建物の控除額は築年数によって異なります。
最も古い中古住宅は1954年7月1日~1963年12月31日に建てられたもので、控除額は100万です。
一方、1997年4月1日降に作られた中古住宅の控除額は1,200万となります。
つまり、新築とほぼ同じです。

このほかの控除額は国税庁のホームページを確認してください。

計算式は以下のとおりです。
(固定資産税評価額-建物の控除額)×税率3%
つまり、評価額より控除額のほうが多ければ取得税はかかりません。

中古住宅の土地の条件は?

中古住宅が建っている土地を購入した場合、控除を受ける場合は以下のような条件を満たしている必要があります。
● 土地に建てられた住宅が、建物の軽減措置の条件を満たしていること
● 住宅よりも先に土地を取得した場合、1年以内に建物を取得すること
● 建物の取得を先行していた場合、取得した人が1年以内にその土地を取得すること
新築の建物付きの土地とほぼ似たような条件ですが、新築住宅より期間が短くなっています。注意しましょう。
中古住宅の場合建物と土地を別に購入することはあまりありませんが、最初は土地だけを取得する予定だったが、後で建物も気に入ったという場合もあります。
この場合、控除を受けたい場合は1年以内に行いましょう。

中古住宅の土地の控除額は?

土地の控除額は、新築のときと同じです。
● 固定資産税評価額が2分の1
● 税金の一定の額が控除(4万5000円)
このどちらかが高いほうが適用されます。これも新築と同様ですね。
なお、この土地の控除はマンションなどの集合住宅には適応されないので注意してください。

不動産取得税の控除や減額には申告が必要

前述したように不動産取得税は地方税であり、お住まいの都道府県に納めます。申告は、都道府県税事務所の不動産取得税担当課です。分からない場合は市役所などの担当課に確認しましょう。
不動産業者からも教えてもらえます。
申告書は事務所でもらえるほか、ホームページからダウンロードすることが可能です。自治体によっては、自動で申告してくれるところもありますが自分で申告しなければならないところもあります。申請期限は自治体によって異なり、不動産を取得した日から20日~60日くらいと幅があります。
なお、不動産を取得した人はお金を払った日でも契約を交した日でもなく、「登記が完了した日」になります。間違えないようにしましょう。

不動産取得税を控除や減額するために軽減措置を上手に使っていこう

今回は不動産取得税の控除や減額について解説しました。
不動産取得税は、そのままでは4%がかかります。しかし、軽減措置を利用すれば条件を満たすことで不動産取得税を免除してもらうことも可能です。
条件がいろいろあってややこしいと思われるかもしれませんが、税理士に相談すればどのような軽減措置が適応されるか分かります。
必ず相談し、アドバイスを求めましょう。

こちらの記事の監修者

torio real estate店長 宿南 秀文

torio real estate店長

宿南 秀文

  • 平成18年度三井のリハウス(現在の三井不動産リアルティ株式会社)を経て、平成20年株式会社torioに入社。
  • torio創業初期から数多く顧客様との商談・交渉・マーケティングリサーチを行ってきた経験を活かし、お客様の保有数不動産価値の創造に努めます。