マンションの一階は売れないって本当!? 理由やメリットを紹介
マンションの一階の部屋を所有していて売却を考えている人の中には「一階は売れにくい」という話を聞いたことがあるかもしれません。手放したいと考えているのに、売れにくいかもしれないと聞いてしまうと「大丈夫かな」と不安になってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、マンションの一階が売れないと言われる理由や一階の部屋のメリットをまとめました。一般的には売れにくいと考えられているマンションの一階ですが、特徴を理解しておくことはスムーズな売却につながります。本記事を参考にして工夫し、売却を成功させましょう。
目次
マンションの一階が売れないと言われる理由
残念ながら「マンションの一階は人気がない」「売りに出しても買い手がつかない」といわれることは少なくありません。どうしてマンションの一階は売れないと言われているのか、代表的な理由を解説します。
日当たりが悪い
周辺に他のマンションやビルなど、高い建物がある場合、マンションの一階の部屋はどうしても日当たりが悪くなりがちです。日当たりが悪いと、洗濯物の乾きが悪い・部屋に湿気がこもりやすい・自然光が入ってこないなどの問題が出てきます。
マンションを探している人は、日当たりの良さを重視して高い階数を希望していることが多いため、日当たりが悪い一階の部屋はどうしても人気が下がってしまいがちです。
セキュリティが不安
分譲マンションは、セキュリティの良さを売りの一つにしているところも多くあります。しかし一階の場合、道路から庭やベランダに侵入しやすいため、セキュリティ面に不安を感じる人は多いです。
二階以上に住んだとしても空き巣などの被害リスクがゼロとはいえませんが、侵入しやすい一階のほうがリスクは大きくなってしまいます。
せっかく庭やベランダがあっても下着などを安心して干せないということも多く、常に防犯意識を強く持つ必要があることも一階の部屋が売れないと言われる大きな理由のひとつです。
通りから見えやすい
塀などの囲いがないマンション場合、一階の部屋は通りから丸見えになりやすいです。特に人通りの多い歩道に面していると、昼間でも常に人目が気になって、カーテンが開けられないという可能性もあります。日中家にいることが多い人ほど、通りからの見えやすさは気になってしまうでしょう。
周囲に高層マンションやビルなどがなく、日当たりが良好だったとしても、人から見える庭やベランダでは、安心して洗濯物を干すことができないでしょう。
周辺からの騒音の心配
マンションの一階は、道路や歩道からの距離が近いため、周辺からの騒音が入りやすくなってしまいます。大きな道路の近くや線路の近くなどの場合は、騒音が気になるという人も多いです。
また、道路がすぐ近くであるということは排気ガスが多い傾向にあるため、一階は避けたいと考える人は多いです。マンションの住民の駐車場が近い場合も、出入りの際の音が気になってしまうこともあります。
害虫のリスク
二階以上の部屋でも害虫が出る場合がありますが、高層階になると害虫リスクは低くなると言われています。
地上と接している一階は、どれだけ注意していてもゴキブリなどの害虫が入ってくる可能性が高いです。また蚊やハエなども入って来やすいため、夏は対策をする必要があります。虫が苦手な人は「できるだけリスクが低いところに住みたい」と考えるため、マンションの一階は敬遠されやすいです。
景観の悪さ
戸建てではなくマンションを選ぶ人の中には、マンションならではの景観の良さに魅力を感じる人も少なくありません。
景観を求めて中古マンションを探している人は、景観が期待できない一階の部屋をそもそも選択肢に入れないことも、一階の部屋が売れないと言われる理由のひとつです。
浸水のリスク
ゲリラ豪雨や大雨になどの災害が起きる可能性もあります。水害のハザードマップで浸水しやすい土地かどうかは見ることができますが、どこでどのような水害が起こるか分からないケースが多く、地面に接している一階は敬遠されやすい傾向にあります。
海が近い場所であれば、一階を含めた低層階は津波のリスクもあるため、高層階を求める人が多いです。
デメリットばかりではない!マンションの一階のメリット
ここまで一階が売れない理由をお伝えしてきましたが、マンションの一階にある部屋にはメリットもあります。売却を成功させるためには、メリットを把握し訴求していくことが重要です。ここからは、マンションの一階にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
専用の庭があることが多い
すべてのマンションに該当するわけではありませんが、多くの分譲マンションの一階の部屋にはベランダの代わりに専用の庭がついていることが多いです。マンションに住みながら、庭を持てるというのは一階に住む人にしか得られない大きなメリットです。
庭はベランダよりもスペースが広く、ガーデニングを楽しむなどできることが増えます。子どもがいる家庭なら、夏はプールを出して遊ぶこともできるでしょう。庭付きの戸建てのような感覚で生活できますが、戸建てよりも費用がかからないのもメリットです。
階下への生活音を気にする必要がない
集合住宅に多いトラブルの一つが、生活音によるトラブルです。特に小さい子どもやペットがいる家庭の場合「下の階の人に迷惑をかけていないか」と、常に気になってしまう人も多いでしょう。
一階の部屋は左右への生活音は気にしなくてはならないものの、階下に住民がいない分、生活音を気にするストレスから解放されます。
スムーズに外出できる
分譲マンションはエレベーターがついていることがほとんどですが、出勤時間など多くの人がエレベーターを利用する時間帯は、外出までにかなりの時間がかかってしまいます。しかし一階であればエレベーターを使う必要がないため、外出までがスムーズです。
また、万が一停電してエレベーターが使えなくなったとしても、階段の上り下りをせずに外に出られます。
マンションの一階に住むのが向いている人の特徴
マンションの一階にデメリットを感じる人がいる一方で、以下の特徴に当てはまる人はメリットを感じることが多いです。
- 小さな子どもがいる
- ペットを飼っている
- 高齢者がいる
- ガーデニングが好きな人がいる
- 戸建てほどの費用をかけたくない
こういった特徴を持つ人なら、前章で紹介したメリットを内覧時にしっかり伝えることで、マンションに魅力を感じてもらえる可能性が高くなります。
【まとめ】
一階のメリットをアピールすることがマンション売却の近道
一般的に「マンションの一階は売れない」と言われることは多いです。しかしマンションの一階に住むことで得られるメリットも少なからずあり、それにメリットを感じる人も一定数います。マンションの売却を成功させるためには、貸主・売主側がメリットをしっかり理解し、内覧時にアピールポイントをうまく伝えることが重要です。
本記事を参考にして物件の魅力をリストアップし、物件に適したターゲットを絞って売却を成功させましょう。
こちらの記事の監修者
torio real estate店長
宿南 秀文
- 平成18年度三井のリハウス(現在の三井不動産リアルティ株式会社)を経て、平成20年株式会社torioに入社。
- torio創業初期から数多く顧客様との商談・交渉・マーケティングリサーチを行ってきた経験を活かし、お客様の保有数不動産価値の創造に努めます。